(初出 2007/4/12)
Mac OS X用のフォント管理ソフトFontExplorer Xに、2007年3月、かねてから噂のあったWindows対応版がようやくPublic Betaとして現れた。Mac OS X対応のものはかなり前から評判だったが、Windowsにはずっと対応しておらず、残念な思いをしていた人も多いだろう。そこにきて、Betaではあるものの、今回のWindows対応バージョンのリリースは大変嬉しいものだ。
僕はフォントが大好きだ。正確に言うなら、書体と言うものがたまらなく好きなのだ。一文字ひともじ完璧にデザインされていて、それはまさに機能美の結晶とも言える。そこにデザインの本質を感じるのである。フォントが大好きというのはつまり、フォントをたくさん集めたくなるということにもつながりやすい。実際、コンピュータにフォントをインストールしすぎる傾向にあるのだが、あまり多くなるとコンピュータが不安定になってしまう。それで泣く泣くあきらめることも多いし、必要なときだけインストールするようにしている。しかしこれがやっかいなのだ。いちいちフォントのフォルダを開いてうんたら。面倒なことこの上ない。
FontExplorer X
このソフトはそういうときに役立つ。あらかじめこのソフトにフォントを登録しておき、そのフォントが必要になったらこのソフト上で有効化してやる。要らなくなったらそのフォントを無効化する。それだけの操作で良い。機能的には非常にシンプルなだけに、このソフトの優れたインターフェースが大変使いやすく感じる。iTunesと似たような操作感だといえば分かりやすいだろうか。また、AdobeのIllustratorやInDesignの比較的新しいバージョンとプラグインで連携し、そういったソフト上からフォントを有効化したりも出来る。これは何か作っていて、ちょっとあのフォント使いたい、というときには大変有用だろう。このソフトを作っているのはドイツの”Linotype Library GmbH“で、フォント製作や、画像処理技術を開発する会社である。実際にフォントを製作しているメーカーだけあって、気の利いた機能が付いているというわけだが、このソフトからLinotypeのオンラインショップでフォントを購入できたりもする。これもまたiTunesのようだ。このソフトは長らくWindowsに対応していなかったのだが、Mac OS Xには”Font Book”というフォント管理アプリケーションが標準で入っているので、むしろ何も無いWindowsにこそ欲しいソフトであった。
Windowsへの対応
そんな経緯もあって筆者はすぐにWindowsマシンにインストールしてみた。それで分かったことだが、Windows対応版では現在、Public Betaだけにいささか不安定である。実際に、筆者はいくつかのトラブルに遭った。具体的に言えばシステムフォントが危険にさらされたのだ。幸い今は何とか動いているが、最低でもフォントフォルダの中身はバックアップしておかないと危ない。ちょっと笑えない自体であった。おそらくは日本語フォントの処理に問題があるのではないかと思うが、ソフト自体かなり便利なだけに、正式版では修正されることを願うばかりだ。さて、公式サイトにも現在分かっている問題が載っている。間違っているかも知れないが、簡単に訳しておく。
- 制限:FontExplorer Xの機能は、Windows Vista上ではユーザー権限問題のために厳しく制限されます。同じ理由で、Windows XP上の権限を制限されたユーザーまたは管理権限の無い状態では、同じ問題を経験するかも知れません。
- エクスポートエラー:TrueTypeではないフォントをPDFとしてプレビュー出力するときエラーが発生します。
- LinoType フォントストア:ストアを閲覧している間にインターネット接続が中断された場合、接続が再開されてもストアは機能しません。この場合はFontExplorer Xを再起動してください。前のページや次のページに進むことは必ずしも上手くいきません。従って、戻るボタンや進むボタンの機能は制限されています。
- エクステンション・プラグイン:QuarkXpress用のエクステンションにおける自動有効化機能や、Adobe用のプラグインにおける機能の一貫性に矛盾があるなど、いくつか既知の問題があります。
- 体裁の問題:ソースリストのフォルダとセットの手動による並べ替えが困難です。これは後のバージョンで修正される予定です。たまにフォーカスを失敗し、情報が全く更新されないか遅れるという結果になることがあります。TrueTypeコレクションの一部分を有効化したとき、そのパスが間違って設定されたり、ステータスが間違って表示されることがあります。TrueTypeコレクションやシステムフォントを複数、有効化または無効化した後に、フォントプレビューが見えなくなってしまう可能性があります。TrueTypeコレクションの情報や字形を表示する間のパフォーマンスの問題があります。フォントを選択した後のWYSIWYGフォントリストと表示しているWYSIWYGビューのパフォーマンスは最適化される必要があります。
ダウンロード
対応しているOSは、Mac対応版はMac OS X 10.3.9以上、Windows対応版はPublic BetaながらWindows XP(Vistaには勧めないそうだ)。特にWindowsの方は「Betaだから実用している環境には勧めない、自己責任で。」と書いてあるので、そのつもりで。ちなみに、完全なフリーソフトだ。Linotypeのサービスだって。
追記(2007/9/20)
現在確認したところ、Windows版のダウンロードが一時的に停止している模様。
我々のWindows用のフリーなフォント管理ソフト、FontExplorer X はベータテスト期間をとうとう終えました。FontExplorer X のベータバージョンをお使いになってくださったすべての皆様にお礼申し上げます。皆様のフィードバックは有効に活用されました。テスト期間が終了したため、ウェブサイトからベータバージョンのダウンロードを停止させていただきましたが、すぐに新しいバージョンがリリースされ、フリーダウンロードが再開される予定です。目前に迫った次の段階のリリースについて詳細な情報を手に入れたければ、このウェブサイトをまたチェックしていただくか、月間のEメールニュースレターに登録してください。
とのこと。僕はOSをWindows Vistaにして次のリリースを心待ちにしている次第です。また続報があればここでご連絡差し上げる予定です。
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